86歳男性が16歳の孫娘を刺殺 認知症の疑い

86歳男性が16歳の孫娘を刺殺 という驚くべき事件が起きました。

これまで、認知症の高齢者を子どもや孫が介護に疲れて、
殺めてしまう事件は多くありました。
しかし、認知症の高齢者が70歳も年下の孫を殺めてしまうという事件は、
これまで、耳にすることはあまりありませんでした。

それだけに、社会に大きな不安を与えているといえましょう。

「認知症」が怖い病気という先入観を持つ人が増えてしまうことこそ、怖いことであると感じます。


事件について

9月9日の夜、福井市黒丸城町の無職、冨澤進容疑者86歳が、
同居する孫で高校2年生の友美さん16歳の首などを
家にあった包丁で複数回刺して殺害したとして、殺人の疑いで逮捕されました。

福井地方検察庁は、冨澤進容疑者の刑事責任能力の有無を調べるため、
24日からおよそ2か月間(最長で11月20日まで)の鑑定留置に入りました。

捜査関係者によると、進容疑者は容疑を認める供述をする一方、
受け答えがかみ合わないなど認知症の疑いがあるといいます。

さらに当時飲酒していたことから、
責任能力の有無や程度を慎重に見極める必要があると判断したとみられます。

福井県警によると、進容疑者は9日夜、福井市黒丸城町の自宅で同居する友美さんの首など上半身を刃物で複数回刺して殺害したとのこと。

10日午前0時10分ごろ、別居する友美さんの父親からの
「娘が倒れていて動かない」との110番がありました。

進容疑者は10日の0時過ぎ、息子である友美さんの父親に電話。
「喧嘩していたら動かなくなった」と伝えています。
犯行は30分ほど前で、駆けつけた息子(友美さんの父親)が
1階で倒れている友美さんを見つけて110番通報しました。

駆け付けた署員が、木造2階建ての1階で倒れている友美さんを発見。
友美さんには防御創がなく、服装の乱れや争った跡もありませんでした。
寝室や台所など複数箇所に血痕が残されていて、台所の血痕がもっとも多かったため、
警察は、彼女が寝ているときに突然襲われ、最後は台所で倒れた可能性があるとみています。
遺体近くには刃物が落ちていました。
友美さんは部屋着姿で刺し傷のほかに目立った外傷や着衣の乱れはありませんでした。
発見現場には争った形跡はなく、祖父にも目立った外傷はありませんでした。

進容疑者は、10日に逮捕され、
「孫の口ぶりに腹が立った」
「口論になって刺した」
などと供述しています。


近隣住民の声

近所の住民などによると、孫と祖父は7月ごろから2人で暮らしていたということです。

もともと、友美さん家族も10年ほど前まで、祖父宅で3世代で同居していました。
祖父はもともと農業をしていました。
その後、鯖江市が隣接するということもあり、眼鏡関連の仕事に就いていました。

祖父の妻であり、友美さんの祖母は、数年前より、脳梗塞で入院中でした。
そのため、祖父が庭で少しの野菜を作ったりしていたものの、
近くに料理屋もスーパーもないため、息子夫婦が週1回か2回来て、
食べ物をすぐ食べられるようにして置いていました。

近所の住民によると、
「進さんも20年ほど前に脳梗塞を患い、その影響で口の動きが悪くなって、口を開けるのに苦労していました。
もう86歳ですから、ボケてないとは言えません。
カッとなったのかどうかは分かりませんが、
進さんは若い時から他人の言いなりにはならず、おとなしい方ではなかった。
孫娘は食事などの世話をしていたようですが、
気が強いところがあって、自分の考えをハッキリ口にするタイプでした」

友美さんの両親は、福井市内のマンションに友美さんと妹の4人で住んでいました。
両親の不仲に不満をもち、「一緒に住みたくない」と言い、
友美さんだけが親元を離れて、祖父宅から自転車で学校に通っていました。
友美さんは教員を目指しており、2年時は無遅刻無欠席。
コロナ禍のなか、祖父宅へ同居するまでバイトもしていたといいます。


捜査関係者によると、

「福井南署の警察官が現場に着いた時、祖父は1階にしゃがみ込み、呆然としていました。
かわいい孫を殺してしまい、何が起きたのか分からない様子でした。
『自分がやった』とも言わず、会話にならなかったそうです」

「なぜ孫娘を刺したのかがはっきりしないんです。
容疑者は“孫にキツく当たられて腹が立った”と話してはいますが、
それだけで老人がキレて、あれほど惨(むご)い殺し方をするのかという疑問が解消できない。
普通の感覚からすれば相当な殺意があったと想像できます。
いくらカッとなったとしてもそこまでするのか。
通院歴は確認されていないが、86歳と高齢ですから認知症がなかったとは言い切れません。
ゼロではないと考え、体調面を気遣いながら捜査を進めています」

進容疑者の曖昧な供述

「断定はできませんが、認知症の疑いがあり、呂律が回らないことがあります。
犯行現場に紙パックの日本酒が残されていました。
警官が駆けつけたとき容疑者は酔っていて、ひょっとしたら事件の詳細を憶えていないのでは。
あるいは認知症が“まだら状態”で、犯行時の意識がなかったのではないかと危惧しています」

別の近隣住人によると、祖父と孫2人で暮らすようになってから、
一緒に買い物にも出かけ、進容疑者はお小遣いもあげていたといいます。


認知症患者を受け入れている施設関係者は

「認知症の初期には、周囲の人間には 認知症であるということが 判断しかねることが多々あります。
『お金を盗まれた』『悪口を言っている』など 被害妄想 に陥り、 攻撃性が高くなる ことがあります。
面会に来た孫の顔を忘れて、『お前、誰だ?金を盗みにきた泥棒か』と 殴りかかって トラブルになったケースもあります」
といいます。

ネット上でも、昼間、怒りだした高齢者に 分かるように話をして、
その時は 納得して 怒りが収まったのですが、
その日の夜になって、いきなり 掴みかかってこられた ことがあったという、
介護施設で 働く人の声 が ありました。

認知症の方は、怒りという感情が、いつまでも 心の中に滞り、
それが 数時間後に爆発する ということも報告されています。

喧嘩をして殺害したという陳述への疑問

状況から、友美さんが就寝中に、喧嘩をすることは 考えにくいといえます。
進容疑者が 「喧嘩をして、カッとした」 という言葉には、
昼間、または寝る前にあったこと(喧嘩したこと)を、
夜になって思い出して 感情が爆発 した可能性もあります。

医療関係者の見解では、 認知症にプラスアルファ飲酒 により、
妄想が強まり 犯行に至った可能性が高い という意見もあります。

厚生労働省 e-ヘルスネット によると
「アルコール性認知症」 という アルコールの大量摂取が原因 と考えられる 認知症 について情報が提供されています。
これは、ウェルニッケ・コルサコフ症候群と同じという意見もあります。

※ウェルニッケ・コルサコフ症候群 (WKS) とは
ビタミンB1(チアミン)の不足により発症する 脳障害 である。
眼球運動障害、筋肉の動きの随意協調運動障害(運動失調) および 錯乱の一部 またはすべての急性発症 を特徴とする。
患者は 急性期に死亡することもあり、 生存者の多くは 永続的な記憶障害へと進展する。
アルコール乱用は、WKSの重要な原因であるが、唯一の考慮すべきことではない。
大量の飲酒は、食事からの チアミン 取り込みに 特定の問題を引き起こす場合もある。

多量に飲酒する人に 認知機能の低下や 認知症がみられることは 良く知られています。
若いアルコール依存症 の人でも 飲酒のために
前頭葉機能が 障害されていることは珍しくありません。
やや高齢の依存症者には 物忘れや認知症が高い割合でみられます。

飲酒による「酔い」は 中枢神経に対するアルコールの作用であり、
アルコールの血中濃度が上昇するにつれて 中枢神経のさまざまな機能を低下させます。
慢性的な多量飲酒 は 脳の萎縮 や 脳血管障害 を引き起こし、
また 飲酒に伴う頭部外傷やけいれん の既往などが 認知症発症の原因 になるとされています。

2008~2013年に実施されたフランスの調査では、
アルコール使用障害は 認知症の発症リスクを3.3倍 に高め
特に 65歳未満の若年性認知症の発症リスクを高める ことが明らかになりました。


認知症の症状が まだらに表れる 「まだら認知症」 の可能性を示唆する コメントもありました。

まだら認知症とは?

「記銘力の低下が目立つのに、判断力や専門知識は しっかりしている状態」
もの忘れの程度も アルツハイマー型認知症 よりも軽く、忘れたことへの自覚がある症状です。

殺害後、息子を電話で呼んだという冷静さを考えると、
まだら認知症だった可能性が高い という意見もあります。
最愛の孫である友美さんを、一時的に 「知らない人」 「泥棒」 と思い込んで
殺害してしまった可能性も 否定できないと思います。


1対1で家族介護をするリスク

86歳男性が16歳の孫娘を刺殺
(冨沢進容疑者 ANN NEWS映像より)

今回の事件は、 祖父を思う孫 と、 孫への愛情 と やさしさをもつ祖父 という、
家族としての 愛情の深さ をもちながら、 認知機能障害 のために、
起きてしまった 哀しい事件 ではないかと推測されます。

決して家族の一人に 高齢者の世話 を任せてはいけません。

せめて、複数の人間が関わることで、こうした 悲しい事件 の起きるリスクは低くなります。

また、 認知症は治らない という考えに縛られず、
認知機能障害 の何が改善されたら、家族が平穏な生活ができるだろう?
という問いかけをしてみてください。

認知機能障害の改善 によって、 生活の質も改善 できる予測がついた時には、
特許取得の 認知機能障害改善組成物 である、 サプリメント「光華」を お試しください。


 

その他の 家族介護事件簿 は こちらのページ でご覧ください。

家族介護事件簿 86歳男性が16歳の孫娘を刺殺 認知症の疑い

 

©2023 DIS SHOP

ユーザー名とパスワードでログイン

ログイン情報を忘れましたか?