11月17日、 福井県敦賀市 71歳で高齢者3人の家族介護の嫁が夫義父母を殺害 高齢の家族3人の遺体が発見された。
17日午前7時50分ごろ、福井県敦賀市道口の会社役員 岸本太喜雄さん(70)宅に遺体があると、岸本さん宅を訪れた親族から 110番通報があった。
駆けつけた県警敦賀署員が、男女3人の遺体があるのを確認した。
県警は同日夜、このうち1人に対する殺人容疑で妻で会社役員の 政子容疑者(71)を逮捕し、発表した。
県警によると、政子容疑者は、17日ごろ、岸本さんの首を絞めるなどして殺害した疑いが持たれている。
亡くなったのは岸本さんと、岸本さんの父 芳雄さん(93)、母 志のぶさん(95)の3人。
岸本さんは2階寝室のベッド近くの床に仰向けで、芳雄さんら両親は1階寝室のベッドの上で仰向けで倒れていた。
政子容疑者は「3人の首を絞めた」と供述しているといい、県警は岸本さんの遺体の近くに落ちていたタオルが凶器とみて調べている。
17日朝の遺体の発見時、政子容疑者は自宅にあった睡眠薬を飲んでいて、一時搬送されたが、命に別条はなかったという。
近所の住民によると、岸本さんは政子容疑者と両親との4人暮らし。
岸本さんは芳雄さんの起こした建設会社を継ぎ、一時は社長を務めていたが、大病を患った後遺症で足が悪く、杖をついて生活していたという。
政子容疑者が義父母を含めた3人の面倒をみていて、最近は周囲に「体調が悪い」「しんどい」などと介護の苦労を漏らすことがあったという。
現場はJR敦賀駅から南へ約2.5の住宅地。
現場周辺には規制線が張られ、警察官が行き交い、山あいの静かな集落は物々しい雰囲気に包まれた。
住民が「みんな温厚でおおらか」と口をそろえる一家に何があったのか。
民家は国道8号に面した集落の南側に位置し、付近にも民家が多くある。複数の住民によると、16日夜から17日朝にかけて大きな物音などはなかった。
パトカーや救急車の到着で事件に気付き、「何が起きたのか」と一様に驚き、衝撃を受けた様子だった。
夫は数年前まで建設会社の社長を務め、政子容疑者もこの会社で事務を担当。
夫は10年ほど前に選挙で区長もしており、近くの60代男性は「区のまとめ役で、困りごとがあるとよく相談に乗ってもらっていた」と話す。
夫とともに遺体で見つかった義父(93)、義母(95)は、自宅でよく一緒に囲碁を楽しみ、しっかり会話もできる状態だったらしい。
ただ、入退院を繰り返し、深夜に救急車を呼ぶこともあったという。近くの70代女性は「義母は『うちの嫁は一番や。良くしてくれている』と自慢げに話していたのに…」と涙ながらに語った。
政子容疑者は関西出身とみられ、明るく優しい性格で、集落の行事にも積極的に参加していたという。
夫は2年ほど前に病気で倒れ、後遺症で足が不自由になった。
義父母を含めた3人を政子容疑者が一手に世話しており、夫を病院に送迎したり、昼休みに食事を作りに自宅と事務所を行き来する様子が見られていた。
夫と政子容疑者に最近会ったという市内の50代男性は、2人に変わった様子はなかったが、政子容疑者が知人に義父母の介護の愚痴をこぼしていたと聞いたという。
「(政子容疑者は)体調を崩して疲れた様子だった」と話す住民もいた。
(福井新聞)
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